先日、女優の南田洋子氏が逝った。
最近、父も長門裕之氏の本を読んだり、夫婦そろって出演したテレビの特番を拝見したりしたばかりであった。
「これほど、カッコいい生き方をした女性がいただろうか」
本を読み進めるうちに、そのように感じざるを得なかった。
大女優でありながら、献身的に義父や夫をはじめ、多くの人たちを愛し、支えてきた。
「カッコいい」とのとらえ方は、人それぞれだ。
しかし、本に出てくる数々のエピソードは、大女優「南田洋子」のすごさを物語っている。
彼女は、4年前から、認知症を患った。
しかし、先日のTV放映では、意識もはっきりしており、以前の表情と明らかに違った。
視点も定まり、夫に向って、「あなた、だらしがないから」と笑いながら語る表情に、誰もが奇跡を信じたことだろう。
老人が老人の世話をする、いわゆる「老老介護」という言葉が話題になった。
高齢である長門氏の「いま」を支えていたのは、紛れもなく、妻の存在であったことだろう。
これは、妻が亡くなったとき、長門氏から出た、次の言葉から、うかがい知ることができる。
「愛しい、大好きな、すてきな女房が、さよならも言わずに永眠いたしました」。
これから、我が国は、超高齢化社会を迎える。
しかし、国の施策だけでは、現場である「介護」の問題、すべてを解決するわけでない。
みんなが高齢者になったとき、一人ひとりの人生を支えるものは、それぞれが持っている「価値観」である。
そんなことを、長門夫妻から教わった気がした。
南田洋子さんへ。
私は、あなたの生き方に感銘を受けました。ありがとうございました。
心より、ご冥福をお祈り申し上げます。